アイドルマスター新宿アルタ前支部

心が揺れ動いたことをたまに書くブログ

デレ7th名古屋感想~伏線はクルーズからあった説~

はじめに

Special 3 Chordと題したアイドルマスターシンデレラガールズ7thライブ名古屋公演が終わりました。コードFを冠する本公演はFunky Dancingというサブタイトル。事前にツアーのニコ生でも提示されていた通り、「楽曲」にスポットを当てたツアー構成で名古屋公演はタイトルの通りダンスナンバー中心となりました。

ダンスナンバーEDM大好きで、今年新木場・アニONとDJイベントに参加できてめちゃめちゃ楽しめた自分としては3公演の中で一番期待していた公演で、実際期待通りというか期待を越えて自分のアイマスライブ史上一番楽しいライブとなりました。

そこでこの感情のまま、詳細なところにふれることはせず、大きなくくりで見る7th名古屋公演の話をしていこうかなと思います。

テーマの忠実さとセットリスト

近年のシンデレラ、ミリオン、765ASのライブ演出を担当しているJUNGOさんは演出の傾向がわかりやすく、「ライブのテーマに忠実なセトリを組む」、「最後盛り上がってライブを締める」あたりがデレ6thやミリオン6thで見て取れるかなと思います。

デレ6thは各公演ごとに春夏秋冬の季節を当てて、朝~夜の各時間帯をブロックとして表現していました。このときから「メンバーはいるけど季節(=テーマ)にそぐわないからやらない」というのがありました。4thはデレステ、シンデレラの広がり、アニメの忘れ物と今後を3つのお城をテーマに構成していました。ミリ6thもテレビ番組とMTGユニットをテーマに、各ユニットに一番しっくりくる楽曲をASシアター問わず引用したのは記憶に新しいかと思います。

後半のところだと、最終ブロックの最後の曲なんかが象徴的で、デレ5thの最終ブロックなんかではUO曲や盛り上がるコールが入る曲を連発して終演にもっていくみたいなのがわかりやすいと思います。

 

そんな演出家がタッグを組んだテーマが「楽曲」でした。これまでが3rdアニメ、4thがTri Castle、5thがパレード、6thが遊園地と春夏秋冬と「物語」なところにテーマをおいていたのでこれだけでいつもと違うなというのは感じられるかなと思います。事前ニコ生もそれをフォローするためにやってたんじゃないかなーとおもっていたり。公演ごとにステージを変えるという事前情報もテーマに徹底するぞというシグナルだったのかなぁと思います。公演ごとに大道具まわりの設計作るの大変だろうなというのは想像に難くないですし。

 

ハードを徹底するならソフトも徹底するだろうなというのは予想通り。一応幕張公演はComical Popsというテーマでしたが、幕間がコント仕立てであることを除けば楽曲構成なんかはいつものデレのライブに近かった印象です。一方、名古屋公演テーマのダンスナンバーはこれまでのライブだとせいぜい1ブロックを占めた程度。それを1公演通すとなると異質感は出るんですけど、ここをしっかり通したのはバチバチに気持ちよかったです。

依田芳乃や宮本フレデリカ緒方智絵里など、テーマにそぐわない曲だったらソロを持っていても披露せずに終わったのは顕著ですし、Snow*Loveはクラブナンバーよりではあるんですがしんげき曲を一つもやらなかったのはしんげきが中心にあった幕張公演との差別化だったのかなとも感じます。あとは銀のイルカはオリメン揃ってはいたし、お気に入りの曲だと思うんですがデレステイベントが去年だったのとその採用回数からひとつ優先度が落ちたのかなと思います。

そのセットリストの中でも諸般の事情から違和感が出てしまったなと感じるのが2箇所ありまして、「ミツボシ☆☆★ -Happily Ever After Remix-」と「もりのくにから」です。

ミツボシ☆☆★ -Happily Ever After Remix-は初日の1ブロック目の楽曲で、ショコラ・ティアラ、輝く世界の魔法につながる流れでした。3曲は共通して比較的ポップスに近めなキラキラ感のあるアレンジに仕上がっており、幕張からグラデーション的にテーマの提示をする役割だったのかなと思います。ただ、今年シンデレラガールになったアイドルのソロ曲で去年のメルヘンデビュー!を踏まえるとオリジナルが聞きたい気持ちもわかるんですが、2日目の最後を考えるとダンス・クラブナンバーの楽しみ方に慣れてもらわないといけないのでどうしても外せないところだったんじゃないかなーと思います。

もりのくにからはどう聞いてもダンスナンバーじゃないんですが初披露曲でかつ高橋花林さんが名古屋だけとなると入れざるを得ない。Sunshine See Mayで雰囲気を作ってからの披露、木々の影やスクリーンの演出に踏まえて高橋花林さんの表現力の高さがエグくて楽しめた度は間違いないんですが、無理やりダンスフロアに戻さないと行けなかったので余韻がぶっ壊れたのはちょっと不満でした(あと30秒くらい待ってほしかった)。とはいえ、ダンスフロアに戻さないといけなかったのは仕方なかったのかもしれませんが。

スペシャルゲストとそのための下準備

名古屋公演のテンションのピークってどこだったかを考えると2日目のDJ TIMEに設定してたんじゃないかなーと思います。最後に楽しい気持ちで帰そうっていう傾向にも当てはまりますし、令和にDJ KOOがTRFの楽曲も含めて生でプレイするってだけで贅沢な体験ですし、それだけに1万払ってもよかったなぁと思うくらいには豪華な時間でした。

エンターテイナー側がこちらの文脈について準備をしてきてくれたように、それを楽しむにはある程度クラブの楽しみ方を知っていないと難しいんじゃないかなーと思っていて、クラブの文脈はどちらかというと陽のコンテンツなのでオタク層からは縁遠いところにあったのは間違いないです。

ただ、そういうわからない層に対しての配慮は丁寧にしてあったなぁと思っています。初日からポップスよりなダンスナンバーから徐々に親しみを付けていって、初日DJ TIMEで"わかってる"観客の楽しみ方を見てもらう。そのうえで最終日のDJ TIMEにつなげていったのは綺麗だったなぁと勝手に思っています。もっと言えば、"わかってる"プロデューサーを増やすためにクルーズや新木場、アニONなどで公式DJイベントをやる必要があったんですね。

ダ・ヴィンチニュースの山下七海インタビュー記事でも「アイマス制作陣はなんとなくでやってない」っていう話があったんですが、それを踏まえても緻密な準備があったんじゃないかなーと思っています。

それだけやってのDJ TIMEは最高に楽しかったですし、そのテンションで見る告知も最高にアツかったです。

今年はコラボイヤーということでその象徴的なライブになったんじゃないかなーと思います。

おわりに

本当に楽しいライブでした。担当の初披露曲「Needle Light」でフロアがバチバチに盛り上がっていてなんか人気アイドルみたいだぁとちょっと手の届かないところに行ってしまった寂しい気持ちもあったりしたんですが、それを含めてもすごいライブだったと思います。

ひとつだけ不満をあげるとすれば音響で、客席を円形にした分音が散った印象があって去年よりは音圧が弱かったなぁと感じました。ただ、自分がバンナムフェスでスピーカー前とか、アニONでほぼ最前とかにいたので感覚が麻痺している節もあるとは思います。

次の大阪はGrowing Rockということで、生バンド構成のテーマに忠実なライブがまた見れるかなと思うと本当に楽しみです。

クラブ曲は現地にいないと100楽しめないんですが、それ以上に生バンドは間違いなく現地かどうかで満足度が大きく変わると思います。そもそも現地にいかなくていい公演なんてないので、是非現地大阪でお会いしましょう。